こぐま座の裏側

バーテンダー2人が自分の北極星を見つけるお話。

新型コロナウイルスが拡がり続けるこの星でおもうこと

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初めて実感したのは

出場予定だったカクテル大会が

中止になったときだった。

 

今年はプライベートな理由もあり

いつも以上に力んでいたため

その知らせを見てから暫く

ショックから立ち直れずにいた。

 

我に返ることができたきっかけは

「甲子園中止」のニュース。

 

大人という枠にいる自分が

ただ思い通りにならないだけで

こんなことではいけない

 

とハッとした。

 

それから

世界中では

職種年齢地位関係なく

沢山の人間が困っている状況であると気づくことを

理解できるまでに時間は掛からなかった。

 

こうなって

4月の自粛を終え

また1ヶ月延長と報道され

今。

 

4月は自分が人間として保つことで精一杯だったけれど

 

いちばん

つよく感じたことがある。

 

バーやお酒は

非日常のものなのだと。

 

キリストが生まれる遥昔から

人間の歴史にはあったそれが

 

日常のすぐそばに

いつもあったそれが

 

非日常だからこそ

今日まで愛されてきたのだと。

 

きっと

音楽と芸術と信仰と

 

それらも非日常だからこそ

愛されてきたのだと思う。

 

分かり合えて

分かり合えなくて

 

開かれていて

閉ざされていて

 

愛すれば

寄り添ってくれる

 

改めて

バー

そしてお酒が

愛しく思えた。

 

そんな

貴重な転機。

 

世界中のたくさんの涙と

世界中のスーパーヒーローの皆様に

ただ祈ります。

ラフロイグ蒸留所('17)③

蒸溜の建物からウェアハウスへ

 

 

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蒸溜の過程からウェアハウスへ

雨の中急ぐ。

(相変わらずの日本人アピール)

 

ウェアハウスは樽の寝床。

本格的な寝床は

入口の林の手前にずらりとあった。

 

ハンドフィルとは、

自分の手で樽から瓶詰めをさせて頂ける

というファン大興奮の作業。

 

(転じて、日本だとハンドフィルというと

蒸溜所限定という意味としても

使われている気がする。)

 

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遂にウェアハウス。

 

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蓋にはサントリーの文字。

もしかしていつかこの樽も瓶詰めされて

日本に来るかもしれない、と思うと

公開前の映画をチラ見してしまった気分。

 

樽の説明を受ける。

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基本ラフロイグはバーボン樽で

熟成される。

 

バーボン樽は内側を焦がして作られる。

写真のような焦げ方なのだと知る。

 

遂にハンドフィル

 

 

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ウェアハウスからハンドフィル用に

用意してくださった樽様たち。

 

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今回はこの3種類。

 

①バーボン樽で8年、

クォーターカスク※で4年追熟。

2005年蒸溜、度数:55。

 

②バーボン樽のみで

11年寝かされたもの。

2006年蒸溜、度数:58.4。

 

③バーボン樽で5年、

ペドロヒメネス※の

ホグスヘッド樽※で7年追熟。

2005年蒸溜、度数:54.8。

 

※クォーターカスク

その名の通り4分の1サイズの樽。

樽が小さいと液が樽に触れやすくなり

熟成が大きい樽より早い。

 

※ペドロ・ヒメネス

シェリーの一種。

所謂マッカランなどシェリー香のあるウイスキーは、基本的にはオロロソというどっしりドライなタイプのシェリーを使用するのだが、

こちらは蜜のように甘いシェリー。

最近スモーキータイプのウイスキー

この樽を合わせるのが流行っている気がする。

 

※ホグスヘッド

豚の頭という意味の樽。

基本的には輸送のコスト削減や、小さいバーボン樽を大きくする為に米国でバラしてから英国に持ってきて組み直すスタイル。

つまりバーボン樽より大きい樽。

シェリー樽の中では小さい方。

スコッチやアイリッシュウイスキー

このサイズで寝かされていることも多い。

 

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やってます。ハンドフィル。

 

まずは樽に銅製?の筒を差して

下まで届いたら指で筒の穴を塞ぎ

取り出してビーカーに移す。

 

楽しい(^^)

 

味見を最初にさせて頂き、

ひとつ気に入ったものだけ手詰めする。

 

こういう時に2人だと嬉しい。

2種類ゲットできる。

 

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ビーカーから漏斗を使って瓶詰め。

みちみちまで入れる。満足。

 

勿体なくて暫くは自宅の蔵の中。

 

ラベルを手書きして、

ひとりひとりグラスとセットで

箱詰めしてくれる。

 

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蒸溜所巡り初日でかなり幅のある

荷物をゲットしてしまった。

 

因みにグラスには行った年数も。

 

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関係ないが、

ラフロイグタータンチェック

やはり可愛い。

マフラーを買ってしまった。←

 

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この日に来たよ

という記載をノートにさせて頂き

 

次はファンとしての仕事、

国旗を敷地内に立てるの巻。

 

ラフロイグ蒸溜所('17)②

蒸溜所見学

 

 

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いよいよ見学ツアー。

 

本当は

WATER TO WHISKY EXPERIENCE

という長時間ツアーを希望していたが

この季節はなのか、現在はなのか、

そのツアーは存在しなかった。

 

ピート掘りたかったな…

(とこの時は思った。

が、後にピートはその辺に沢山ある

ということが分かったので

夢は何となく叶う。)

 

わりかし時間ぴったりで

人も集まり、人生初の見学ツアーが

スタート。

 

DISTILLERS WARES(£70)の

2時間ツアー。

ハンドフィル付き。

 

基本的なツアーは£10。

 

大麦から全て始まる

 

無機質な通路の後に

唐突に麦の山!

 

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これが原材料の大麦、所謂モルト

ここで麦の掘り返し

つまりフロアモルティングを

現在も人の手で行っている。

(2割の大麦。

他はきっとポートエレンの機械による)

 

湿っていてあったかい。

ファンとしては

あわよくばこの中で寝たい。

キルンの中でも良い。(危険)

 

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確か、フロアが2階分くらいあって

↑これを伝って下ろすそう。

 

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モルトを掘り返す道具。

アナログ〜(∗ ˊωˋ ∗)愛おしい。

 

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そんなこんなで芽が出ます。

愛おしい。

 

あの正露丸香のヒミツ

 

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キルンの中。住んでも良いですか?

勿論あの香り、します。

 

この中で麦の成長を加熱で止めます。

 

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ラフロイグの心臓。

ピートを焚べる部屋は2部屋ほど

あったかと思います。

 

麦に熱を加える燃料、それがピート。

なんなら島にはそれくらいしか

燃料がなさそう。

暖炉にもピートを使ってた。

海を吸った草木の炭のような土。

 

だからアイラ島ウイスキー

スモーキーになるのは必然的なこと。

 

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奥の焚べる部屋へ。

通路は基本こんな感じ。

(日の丸を背負うキャプテン。

その前を歩くのは

ニューヨークから来たという方。

仲良くさせて頂きました。)

 

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キャプテンが誇らしげに持っているのは

ピートをカットする器具。

先に牛の角が付けられている。

 

期待していた4時間半のツアーが

存在していたら、

これを持ち長靴を履いて

掘っていたことだろう。

 

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ピート!

何の変哲もないのに秘めた力は凄いもの。

香りはただの土。

燃やす前なのでスモーキーさは無し。

 

エストロお気に入り行程

 

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後に蒸溜行程で一番気に入った、発酵。

この後の旅は

「マッシュタンきたー」とか言いながら

各蒸溜所の薫りを堪能した。

 

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ほやほやを出して頂く。

 

この段階で、蒸溜所ごとに

味が全く違う。

 

この1ヶ月後に行った

国産の白州とは、もう全く別。

 

スコットランドのは基本

甘いものが酸味や度数を帯びる。

白州は酸味から来て甘くなる記憶。

 

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これがウイスキーになるなんて。

結構この段階でスモーキーで

おえーっと捨てる人もいたけど、

なぜかハマる。大切に頂きました。

 

蒸溜

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そして蒸溜釜。

さっきの発酵した麦ジュースが

ここで蒸溜されていく。イケメン...

 

勿論ここは熱い部屋なので

注意が必要だが、思わず浮かれる。

 

蒸溜が足りないものは循環し、

蒸溜が完了したものは釜の上から

タンクに自然に移っていく。

 

これを樽に詰め

ここスコットランドでは

3年寝かしてようやく

ウイスキーと名乗ることができる。

 

次回はハンドフィル。

 

ラフロイグ蒸溜所('17)①

到着からビジターセンターまで

 

 

アイラ島では恐らく唯一

森(と言っても林程度)に囲まれた場所。

 

木々を抜けると蒸溜所と海が見える。

その様子もなかなか感動的である。

 

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写真奥がポートエレン。

背中がラガヴーリンアードベッグ方面。

左に曲がるとラフロイグ蒸溜所。

 

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 焦らされる林道。

期待させる林道。

 

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その道を抜けると蒸溜所が!

 

因みに写真は帰りに

心惜しんで撮ったもので

晴れの様子だが

 

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 行きはザーザーの雨。

(↑この写真も

必死で撮った後急いで屋内を探す。)

因みにどうでもいいが、

いやよくないが、雨女なのである。

人生初の蒸溜所見学、

しかも一番愛するラフロイグ

ということで、雨も絶好調。

 

9月下旬だと、既に寒いアイラ島

しかも、海沿いで浜風が強い。

 

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「見学者はこちら」のボードに

誘われる細い道。

 

行きは天気がそれどころではなかった為

気付かなかったのだが

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キャプテンが気付き、パシャリ。

偶然出来たものなのかは分からないが

隠れミ〇キーを見つけたような喜び。

 

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 その道を抜けると

ビジターセンターが見える。

ここで諸々の受付や、

土産の購入などが出来る。

 

雨が凄いので急いで駆け込んだ。

 

 

 

アクセス

 

 

ラフロイグ蒸溜所は

ポートエレン港から1番近い蒸溜所である。

 

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車では

向こうの速度で5分掛からない内に着く。

 

歩くとまぁまぁ掛かる。

何も無い牧草地を

何も考えていなさそうな羊を眺めながら

海を眺めながら

歩くことになる。

 

車が無くてもバスがあるので、

それに乗ると便利である。

バス停の表記は日本より分かり易い気がする。

何せ本数が少ないからである。

 

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 写真にもあるように

日曜はバスがない。注意。

 

次回余裕があって季節も良かったら

(風の強くない季節)

自転車が良いな、と

個人的に目論んでいる。

 

ビジターセンター

 

 

どの蒸溜所にも大抵ある

所謂お土産コーナー。

 

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(↑お土産屋さんの奥には

見学の待合スペースとして

簡単なバーがあった。)

 

ここで見学ツアーの申し込みが出来る。

我々はネットで予約をしたのだが

その確認もここのレジで行う。

大抵どの蒸溜所もそうだった。

 

ただ、ラフロイグは奥に

フレンズオブラフロイグ(ファンクラブ)用の

小部屋があったり、

 

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(↑ファンの名前が収められている本棚。

勿論わたくしの名もここに。

いやぁ、嬉しいサービスです。)

 

歴史を見ることが出来るスペースがあったり

 

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流石サントリーさん、

という感じだった。 

 

さぁ、次回はいよいよ

見学編です。

アイラ研修二日目①

アイラ初めての朝も、驚きから。

 

朝食は7:30〜9:00と

前日に説明があったので
7時にアラームをかけるも
だらだらと8時前に下へ降りる。

 

2人とも
いつでも出掛けられる格好、化粧
ではあったものの
なかなかの寝ぼけ具合。

 

ダイニングの扉を開けると
他に2組(1人×2)の宿泊客の方々。

私はとりあえず席目掛けて歩くと


キャプテンが手前の人に驚いた。

 

それに私も驚き振り返ると

つい最近知り合ったばかりの
地元、隣駅の
オーナーバーテンダー様では

ありませぬか

 

・・・!!(⊃ Д)⊃≡゚ ゚

 

知り合ったと言っても、
私達から一方的に
酒屋さん経由で
同時期のアイラ行きの話を聞き
出国直前にお店にお伺いした
というだけだったので

 

朝から軽い悲鳴を上げる。

 

動揺冷めやらぬまま
アイラ島初めての朝ごはんを頂く。

ご飯の内容はご飯担当の
キャプテンに任せることにする。

 

念願の地へ

 

ご飯を食べていると
その知人オーナーバーテンダー様が
私たちの今日の予定を聞き
「乗ってきます?」
と…≡( 「ε:)ノアリガウトゴザイマス

 

まんまと甘えさせて頂き
時間に車の中へ。

 

もうひと方
同じ宿に泊まっていた日本の方を乗せ
車は蒸留所へ向かう。

 

因みにこの方とも

その後縁を深める事となる。

 

宿泊地ポートエレンから近いのは
ラフロイグ

ラガヴーリン

アードベッグ
の順。

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この日は
ラフロイグ4時間のツアーのみ
という目標だったが、

現地で行って改めて分かったが
そのツアーはないそうで
事前にメールで2時間のツアーを
予約していた。

 

そして遂に・・・

 

ポートエレンは少し栄えた港街。

そこから民家の気配がない

牧草地を車で5分ほど?

 

※こちらでの「車で〇分」というのは

かっ飛ばし具合が日本と違うので

あまり参考にならないかも知れない。

 

昨日アイラホテル社長に

連れて行ってもらった

ハリーポッターっぽい林が見える。

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(写真は帰りに撮ったもの。

ポートエレンは写真の向こう側)

 

そこを右折して

門までの林道を真っ直ぐ抜けて

私の運命の地、

そこはラフロイグ蒸溜所である。

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ありがとうございます、

隣町のオーナーバーテンダー様!

また日本でお会いしましょう!